臨床検査技師

臨床検査技師とは

臨床検査技師とは、主に病院などの医療関係施設で患者さんの血液、尿、細胞組織などの検査や心電図、呼吸機能、脳波などの測定、あるいは超音波検査などを行い、医師の診断や治療、予後の判定に必要な検査情報を提供する専門家です。

どんな仕事なのか

主に病院などの医療機関で患者の血液や尿、細胞組織などの細菌学的検査、化学的検査、免疫学的検査、病理学的検査や患者の心電図、呼吸機能、脳波の測定、あるいは超音波を用いた検査を行って医師の診断や治療のために必須なデータを提出する仕事です。

体に聞く医療サポート

生理機能検査

患者さんと直接接する仕事です。法律的には、心電図・心音図・脳波・筋電図・基礎代謝・呼吸機能・脈波・熱画像(サーモグラフィ)・眼振電図・重心動揺 計・超音波(エコー)・磁気共鳴画像(MRI)・眼底写真・毛細血管抵抗・経皮的血液ガス・聴力検査の16種の検査があります。

一般検査

尿検査をおこない、病気の早期発見に一番近い情報が得られます。尿中の糖やタンパク質、さらに目に見えない固形の成分を顕微鏡で検査します。糖尿病や腎疾患の診断に役立ちます。さらに、寄生虫の検査もおこなっています。

生化学検査

生体内の様子を分子レベルで検査します。例えば、糖質(グルコース)・脂質(中性脂肪やコレステロール)・蛋白質や尿素・尿酸、電解質(Na、K、Clな ど)、酵素(エンザイム)などを分析検査します。特に、緊急検査では、心筋梗塞や昏睡状態の患者さんの状態をいち早く把握し、その後の治療に役立ちます。 また、健康診断などでは、病気の予防にも不可欠な検査です。

病理検査

癌(ガン)の早期発見や治療に役立ち、細胞を顕微鏡で検査します。そのための、人体解剖の介助や標本作成も検査技師がおこないます。さらにスキルアップしたい人は、臨床検査技師国家資格取得後に細胞検査士(サイトスクリーナー)の資格を目指すことになります。

血液検査

赤血球・白血球・血小板などの検査、さらに血液の凝固(固まるしくみ)や線溶(溶けるしくみ)の検査をおこないます。貧血や白血病などの検査に重要です。

微生物検査

O-157や食中毒などの細菌を検査し、薬剤との関係をしらべます。また、結核やインフルエンザなどの感染症の検査もおこないます。

免疫検査

血液型や輸血・移植検査、感染症の検査をおこないます。また、エイズ、性行為感染症(STD)、リウマチ、膠原病などの検査もおこなっています。

臨床検査技師になるためには 受験資格は

この臨床検査技師になるためには、高等学校を卒業し厚生労働省の指定する臨床検査技師養成校、または文部科学省の管轄する大学において臨床検査技師の養成 課程を修め、臨床検査技師国家試験の受験資格を得ることが必要です。そして、この国家試験に合格した者のみに「臨床検査技師」の資格免許が授与されます。 臨床検査技師は、看護師、薬剤師、診療放射線技師などと並んで、現代の医療現場を支える重要な医療スペシャリストなのです。

本校の教育体制

教育体制は、専任教員のほかに、専門科目の講師には旭川医科大学教授陣の協力を得て、教育内容は年々向上し、近年においては国家試験の合格率は全国平均を 上回る成績を収めています。また、すでに本校を卒業した約1,500名の臨床検査技師たちは、道内各地の病院や臨床検査センターなどで地域医療の一翼を担 い、誇りと自負を持って活躍しています。本校は、このような実績にたって、さらに教育内容の充実と向上をはかり、日進月歩する新しい医療技術に適応する優 れた臨床検査技師の養成を目指しています。

診療情報管理士

診療情報管理士とは

本校は、社団法人日本病院会の診療情報管理士認定校の指定を受け、診療情報管理士課程を設置しており、修了者には日本病院会の行う認定試験の受験資格が与えられます。
診療情報管理士とは、診療記録(カルテ)および診療情報を適切に管理し、そこに含まれるデータを加工、解析、編集し活用することにより医療の安全管理、質の向上および病院の経営管理に寄与する専門的職業です。

どんな仕事なのか

私たちが病因にかかると医師は必ず問診をします。診察室での問診の結果、医学的処置の決定、症状に応じて血液検査、病理検査、超音波検査、X線検査などを 実施し、これらの検査結果から臨床診断名(病名)が決定され薬剤処方箋により投薬されます。手術中の管理、栄養状態に応じた食事管理など様々な患者の診療 記録が記載されているのが、診療録(カルテ)です。この診療録が正しく、正確に記録されているかを管理するのが診療情報管理士(日本病院会認定)です。診 療情報管理士の役割は、電子カルテ(診療録)等の医療分野のIT化により、高度先進医療になくてはならない医療業務です。